こだわりのオオクワ産地(広島県)


 私は平成10〜14年までの4年間、会社の転勤で広島市内に勤務していたため、広島県産のオオクワガタについては特に思い入れが強い。
 広島県下でのオオクワガタの採集記録は、報告数は少ないものの県内各地に渡っており、かなり広範囲に分布しているようである。
 主なものとして、@1935年…県東部の某所にて路上を歩く♀が偶然採集された。A1972年…広島市内での唯一の採集記録として、地元の中学生がアベマキの地上3メートル程の樹洞にて小型の♂を採集した。B1973年…県北東部のお寺の灯りに飛来した♀が採集された。
 と言ったものが挙げられるが、広島市の採集記録を除くと、狙ったものと言うよりむしろ偶然発見されたと言う色彩が濃いようである。
 広島県産のオオクワガタを目指して採集に励んでおられる方も多いようだが、実際に採集をしたと言う話はあまり聞かない。また最近発行されたクワガタ誌に掲載された『オオクワガタの産地250ヶ所』にも、広島県のポイントは全く登場していない。

 広島県のオオクワガタは『県指定の希少種』とされており、採集は他の都道府県と比べて困難なものと言えるかもしれない。
 こうした中、広島県に住む知り合いの方が最近県東部でオオクワガタを採集され、何とその貴重な個体をお送りいただいた。


広島県産オオクワガタ♂61ミリ(中歯形) 広島県産オオクワガタ♀38ミリ


 この個体は平成16年1月3日に広葉樹の立ち枯れより割り出されたもので、他に成虫・幼虫が数頭ずつ採集できたとのことであった。
 採集者の方は、この一年間に広島県下で灯火採集も含めて10数頭のオオクワガタを採集している。
 また、別の知人も夏季の樹液採集においてオオクワガタの♀を採集しており、地道な努力により徐々にポイントが開拓されつつある。
 「いつの日か自分も…」その思いは広島を離れた今も持ち続けており、機会があれば是非また広島を訪れてみたいと思う。
(了)

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