熊本採集行PART1

 年末も押し迫った平成13年12月30日の早朝、私は宮崎を発ち、九州自動車道を熊本方面に向かって車を走らせていた。
  今回は熊本産のオオクワガタを目指しての採集行である。
  予定時刻の少し前に福岡の知人2名とおちあい、そのままポイントに向かった。
  同行者の一人である氏は今回で4回目の熊本採集とのことで、既に♀の成虫1頭と♂の幼虫1頭の実績を挙げていた。
 インターチェンジを降りて約30分後にポイントに到着したが、初めてのポイントと言うことで、ゆっくりと時間をかけて周囲を歩き回ってみた。
 あたりには洞のある感じの良いクヌギが数多く生えており、素人目にも好ポイントであることを予感させた。

 しばらくして採集を開始したが、オオクワの入っていそうな倒木や立ち枯れは少なく、幾つか木を削ってみるが、出てくるのはコクワばかりで肝心のオオクワは見つからない。
 ようやく見つけたエノキの立枯れから怪しげな2齢幼虫を1頭、さらに雑木林の奥にあるニクウスバの生えたクヌギ立枯れからこちらも怪しげな初齢幼虫を1頭採集した。
K氏がオオクワを割り出したポイント

 はっきりとした成果を出せないままに終了の時間が近づいてきたが、ふと見ると雑木林内に一本の倒木を見つけた。
 削ってみるときれいに白枯れしている。
氏がオオクワを採集した場所から50mも離れていない場所であったことから、慎重に材を削って行った。
  しばらくするとやや太めの食痕が現れたが、どうやらコクワではなさそうだ。さらに一層慎重に材を削って行くと、ポコっと小さな穴が空いた。
  頭が見えるがやはりコクワではない。緊張を抑え小さな枝をかませて幼虫を取り出した。
  すぐに顔を確認するが、残念ながら大型のヒラタ幼虫であった。
顔を出した大型のヒラタ幼虫

 
「今回も駄目だったか…」という思いで帰宅したが、後日同行者の
氏が採集した幼虫がオオクワであったことが判明した。
 また、私が自宅に持ち帰った不明幼虫2頭が3齢になり、オオクワであることが判明した。(右の写真はそのうちの1頭)
 自分自身という意味では、山梨県で採集して以来、何と約4年ぶりの成果である。
 ポイントの雰囲気から、夏季の樹液採集でも期待が持てそうであり、再度挑戦したいと思わせるポイントであった。
 九州で第1号の成果が初めて訪れた熊本であったのは自分でも意外であったが、何はともあれ、オオクワガタを採集することが出来、大満足の採集行であった。

熊本産オオクワガタ幼虫(採集時2齢)



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