10年振りの南九州灯火採集
(23年7月31日〜8月1日)


 平成23年7月31日から2日間、南九州県の某所で灯火を張りました。
 今回は虫友のR氏との採集でしたが、R氏とは毎年のように灯火で東北めぐりをさせていただいているものの、南九州での採集は何と10年振りになります。
 我々の狙いは当然のことながらオオクワガタですが、残念ながら南九州ではまだ実績を残せていません。
 折角の採集の機会なので、7月に2回ほど灯火を張れるスペースが無いかの下見を行いました。
 灯火採集をしたことのある方ならお分かりかも知れませんが、なかなか灯火採集に適した場所というのはみつからないものです。
 下見ではこれでもかというくらい狭い林道にも突っ込んでみましたが、そのほとんどが途中で進入禁止になっており、また運良く入れたとしても開けたスペースがないため、なかなか良い場所が見つかりませんでした。
 それでも数百キロの走りこみの末に何カ所か照葉樹林に囲まれた感じの良いポイントをピックアップしましたので、あとは当日R氏と一緒に再度見たうえで、灯火を張る場所を決めることにしました。
 灯火採集初日である7月31日の夕方4時前に我々は現地に集合しました。
 R氏はこのエリアに足を踏み入れるのは初めてでしたので、軽く車を流してみることにしました。
 このエリアは原始林とまでは行きませんが、樹齢50年以上の照葉樹林がかなり濃い場所も多くあり、遠い昔にオオクワガタの採集記録もあることから、私の中ではかなり大きな期待がありました。
 事前に探しておいた灯火ポイントにR氏を案内しましたが、ここはとても良い場所ですねとの感想をもらい、ホッとしました。
鬱蒼と茂る照葉樹林。この中にオオクワはいるのだろうか
 灯火採集のポイント選びはなかなか難しく、私はR氏ならここを選ぶのではないかという場所を目指してポイント選びをしましたので、そうした意味では良かったと思います。
 夕方5時半から早めの夕食を取り、7時半過ぎに上の画像のポイントに到着しました。
 ヒグラシの「カナカナ」という鳴き声が心地よく響く中、灯火を張る準備をしました。
 今回は簡易セットですが、それでも飛来する数にはあまり差はないだろうという予想で、8時前には準備を終えました。
 さあいよいよ灯火採集のスタートです。
 期待に胸を膨らませて灯火のスイッチを入れましたが、羽蟻やカメムシ、カゲロウ類は沢山寄って来るものの、甲虫の数自体はあまり多くありません。
 クワガタもなかなか来なかったのですが、8時13分になってようやく最初のクワガタが飛来しました。小型のコクワの♂です。
 普通なら最初の一頭が飛び始めると何頭かまとまって来るのですが、この日はちょっと感じが違いました。
 なかなか次が来ません。
 一時間ほどで10頭くらい来たでしょうか。予想よりもかなり少ないので、業を煮やして街灯を回ることにしました。
 林道から広い道に出ると、思った以上にガスが濃いことに気づきました。
 また程なく雨も降り始め、状況は良くない方向に向かっていました。
 街灯周りでは10頭くらいのクワガタを捕まえましたが、予想外だったのはアカアシやミヤマの数が非常に少なかったことです。
 ミヤマは♀が4頭飛来しただけで、アカアシに至っては♂が一頭飛来しただけでした。
 この日は街灯にもあまり虫は寄っていませんでした。
簡易の灯火セット。虫の寄り付きはそれほど悪くありません。


白布に直接飛来した小型のコクワ♂ この日の第1号です。

 ガスや湿度の関係でしょうか、予想外の展開になりました。
 約一時間ほど街灯を回って灯火に戻りました。普通ならたまったクワガタたちを何頭も見つけることが出来るのですが、この日は何とゼロ。ちょっと信じられません。
 その後10頭ほど飛来した所でさすがに疲れてしまい、12時前には灯火をたたむことにしました。
(この日の成果)
 ヒラタ4♂6♀、ノコ1♂10♀、ミヤマ4♀、コ1♂3♀、アカアシ1♂ 計30頭
 ※名前のよく分からないコメツキムシを「この虫の名は?」に掲載しました。
 
第2日目の灯火採集(23年8月1日)

 ちょっと残念な結果に終わった初日でしたが、気を取り直して2日目に臨むことにしました。
 2日目は初日のポイントからは30キロ以上離れた照葉樹林帯で、初日のポイントに比べると照葉樹林の大木が数多く存在しており、初日以上に条件は良いところです。
 このエリアも灯火を張れる場所はほとんどありませんが、私が事前にピックアップしておいた4カ所のポイントの中から一番良さそうなところをチョイスし、この日の灯火スペースを決めました。
 この付近は照葉樹の原始林が数多くあるうえ、ニレ等クワガタが好む広葉樹も沢山生えています。
 右の画像の所では、タマムシが飛行している姿を数多く目撃しました。
 このエリアも風向きや湿度など、我々が理想としている条件に合致しています。
この日のポイントに近い場所で撮影。照葉樹の原始林が凄いです。
 この日も灯火を8時過ぎからオンにしました。
 灯火を張った場所が本当の山奥であったため、この日は街灯周りは出来ません。まさにこの灯火だけが頼りの採集となります。
 この日は前日よりも虫の寄りは良く、大型の蛾も含めてかなり良い感じです。
 期待に胸を膨らませてのスタートでしたが、最終的にこの日飛来したクワガタは31頭でした。
 この数が南九州の照葉樹林帯でのクワガタ採集において多いのか少ないのかは何とも言えませんが、私たちが思い描いていた数より少なかったことに間違いはありません。
 ただ同行者のR氏が「二カ所とも素晴らしいポイントで楽しめました。今後も継続して採集をしたい場所ですね」と言ってくれましたので、場所的には問題なかったのでしょう。
 そうやすやすと姿を見せてくれないオオクワガタだけに、やり甲斐はあります。
 いつかこの場所でオオクワガタの姿を見てみたいものです。
(この日の成果)
 ノコ3♂12♀、ヒラタ2♂6♀、ネブト1♂、コ1♂2♀、ミヤマ1♂3♀ 計31頭


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