広島最終記

 正式に福岡への異動が発表となった最初の日曜日、子ども会の行事で家族が3時間ほど外出することになり、これ幸いとばかりに、採集に出かけることにした。
 場所は3年前から目をつけている、台木のある雑木林であるが、おそらくこれが広島最後の採集になるだろうと言う、ちょっと特別な思いでの採集である。
 真っ先に向かったのが、ニクウスバのびっしり生えたクヌギの立枯れである。この木は3年前にはじめて来た時に見つけていた、根回り2メートル以上はある根台場である。
 今まで手を入れていなかったのであるが、最後と言うことで鉈を入れてみることにした。
 中はきれいに白枯れしており、かなり良い雰囲気であった。
 立枯れの上部からは食痕が現れなかったため、根元から削ってみることにしたが、程なく大きな食痕が現れ、期待に胸が膨らんだ。
 しばらく削ると頭部が現れたが、コクワではなさそうである。慎重に掘り出したが見たところ大型のヒラタの幼虫のようである。「やっぱりそう甘くはないか…」

そう思いながら引き続き削っていったところ、頭部が4〜5_前後の2齢幼虫が数頭採集できた。おそらくこちらもヒラタであろう。
 そこから次のポイントに向かったが、ここは一箇所目のポイントよりさらに台木が沢山ある場所であり、ニクウスバの生えた切り株から数頭の大型幼虫を割り出した。
 どうやらこちらもヒラタの可能性が高そうであったが、気づいてみたら予定の時間が来ていた。
 結局成果を出すことが出来ないまま、広島でのオオクワ採集は終了した。「さらば広島…」一人感慨にふけりながら帰路に着いた。


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